種を蒔いて半月、ふたたび畑を訪れた。
春分を迎え、大地に温もりがそそぐ。
芽はまだ出ていない。
変わったことと言えば、小鳥が舞い降りて何かをついばんでいることだった。
ビーズよりも小さなクローバーの種にどうして気づいたのだろう?
畑を見回ると、崩れたシードボールが多くあり、種が丸見えになっていた。
「生乾きがまずかったかなぁ」
「こんなもんじゃない?雨、降ったし」
楽観的な友人の意見が、嬉しいような、腹立つような。
ともかく、たくさんの種を蒔いてただ見守る。
このことだけを繰り返そうと思った。
4月に入り、ようやく緑のうぶ毛が生えてきた。
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