山は白いほどに萌え、息吹を燃やす輝きにあふれている。
生命のヴェールは田畑までも包み、境界など存在しないことを改めて知らされる。
日本で最も美しい季節。
さまざまな植物が生えてきた。
背の高いものは、ゆうに膝小僧(ひざこぞう)を越えている。
その中に赤い実があった。
「ラディッシュだ!」
(二十日大根というだけあって、本当に成長がはやい。)
こういう時、僕はまず友人に勧めることにしている。
即座に断られ、しかたなく自分で齧(かじ)ってみた。
瑞々(みずみず)しい歯ごたえ。
ほのかな酸味。
「自然の不思議なサラダなんだ!」
他にもあった。
一番目立っているのは、ジャガイモだ。
太陽めがけて元気いっぱい葉を広げている。
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