2008年12月15日

フマール農園 12. 森の畑

10月。
大陸からの風に冷たさが差すようになった。
空が抜けて、隠れる場所がない。
蒔いた種はすぐに芽を出し、つぎつぎと生えてくる雑草を抜いてまわる作業に追われた。
(もちろん畑の真ん中(6m×10m)には手を付けていない。)

こつこつと畑に通う様子を見て、ノリおじさんが声をかけてきた。
「山でやってみるか?」

雨上がりの空に虹があらわれた。

“森のような畑”・・・そんなものが本当にあるのか?
野菜やフルーツはどのように混生し、あるいは混生しないのか?

子供のころ、川で釣った魚を食べたときのことを思い出した。
ピチピチと跳ねていた魚が、死んで焼けゆく様子。
白くなる瞳。こげ立つ香り。口の中に広がる肉の味。
いま思えば、自分一人で行った小さな儀式のようだった。
生きるということが、何も語ることなく、少年をつつんだ。

そのときの魚の味は、想像していたものと少し違っていた。
先入観の誤差(エラー)・・・千の言葉よりも無言の抱擁(ほうよう)を。

それにしても、ノリおじさんは、僕が「果樹を植えたい・・・」とこぼしていたのを、気に留めていてくれたのだろうか?
あるいはただ、「畑に木を植えられてはかなわない」と思ったのか?

いずれにせよ、雑木林では“キホーテな実験”がはじまった。

・・・


posted by from_grassroots at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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