2008年12月29日

フマール農園 13. 木を得たキコリザワ

11月そして12月。
若い雑木林はとても密生しており、なかなかどうして、入れない。
いかんせんマルックと僕では、獣道みたいなものを作るので精一杯だった。
それに・・・ゴリゴリゴリ、ゴリゴリゴリ・・・すぐに豆を挽く音が聞こえるのだった。

そんなある日。
並木道の居酒屋でキコリザワに会った。
“森の畑”の話にうなづいていたキコリザワは、手に持ったジンバックを飲み干した。
「今まで黙ってたけど、実はオレ、木樵りなんだ」
(ミュージシャンじゃなかったのか・・・)

ところが、山でのキコリザワの活躍にド肝を抜かれることになる。

まさに“水を得た魚”いや“木を得た木こり”。
キコリザワは形から入るタイプらしく、プロ仕様の最高級チェンソーを振り回していた。
バタバタと倒れる木を運ぶのが、僕たちの役目。
せっせと集めて、スペースは少しずつ広がっていった。

ひとしきり終える頃には、あったかいコーヒーが待っていた。
天に向かってみんなで白い息を吐いた。
ただ、楽しかった。

・・・
posted by from_grassroots at 14:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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