1週間ぶりにトリシアと連絡がついた。
トリシアは「おじいちゃんが死んだ」と言った。
それから、なぜか僕に感謝の言葉を述べた。
僕は彼女に入院中の祖父に会いに行くよう勧め、何度か連れて行ったことがあった。
それでも、あとでトリシアは面白い話をいっぱい聞かせてくれた。
ゴチャゴチャとうるさい金儲け主義の葬儀屋に向かって、一見大人しそうなトリシアが暴言を吐いた話などは、特に面白かった。
ここのところ、僕はずっと塞(ふさ)ぎこんでいた。
静かに、しかし確実に・・・
時が経つほどに現状は答えとなってゆく。
期待した冬野菜はまったく大きくなることなく、小さな花を咲かせている。
僕の方こそ感謝しないといけない。
・・・