2011年08月31日

マルックの喫茶店 2. マルックと秘密の部屋「こっそり堂」

「し、信じられない…」
「マジかよ…」

僕たちはほとんど同時に声を上げた。
まったくこの時のテンションの上がり様ったらない。

それは確かに目の前にあった。

「…こっそり堂、だ」
フマールが呻(うめ)く。

その後の出来事は正直思い出せない。いや、思い出したくない。
ただただ夢中だった。僕もフマールも…

気が付けばフマールがカメラのファインダーを覗き込んで、必死になって僕にポ−ズを強要していた。
僕も満面の笑みで次々にポーズを決めてゆく。
C20110731こっそり堂2.jpg

僕の体は熱を帯び、興奮を抑えるのがやっとだった。
ただ渾身の数枚を撮れた充足感だけが、わずかばかり僕を鎮めた。

邂逅(かいこう)と呼ぶべきその体験は、僕たちを一変させた。
・・・
posted by from_grassroots at 23:40| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする