2011年09月30日

マルックの喫茶店 3. マルックと秘密の部屋「到着」

何だろう…この感覚… 
動揺を隠せない。この高揚感。

「僕じゃないみたいだ・・・」
確かめるように呟いていた。

結局ブルーベリー園に着くまで運転に集中することができなかった。
フマールが興奮気味に何か話しかけてきたけれど、まるで覚えていない。
僕は「自分」という住み慣れた家に完全に引きこもっていた。

エンジンを切る。
意識が深淵に沈みかけたその時・・・突然フマールが歓喜の声をあげた。
「見てよ!ブルーベリーがたくさんなってる!」
僕は弾かれるように外を見た。

その時見た風景を、僕は一生忘れないだろう。

一つ気付いたことがある。
僕が変われば、風景も変わるってことだ。
・・・
posted by from_grassroots at 23:41| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする