動揺を隠せない。この高揚感。
「僕じゃないみたいだ・・・」
確かめるように呟いていた。
結局ブルーベリー園に着くまで運転に集中することができなかった。
フマールが興奮気味に何か話しかけてきたけれど、まるで覚えていない。
僕は「自分」という住み慣れた家に完全に引きこもっていた。
エンジンを切る。
意識が深淵に沈みかけたその時・・・突然フマールが歓喜の声をあげた。
「見てよ!ブルーベリーがたくさんなってる!」
僕は弾かれるように外を見た。
その時見た風景を、僕は一生忘れないだろう。
一つ気付いたことがある。
僕が変われば、風景も変わるってことだ。
・・・