「おねえちゃん、おいしいね」
「ほんとね、とってもおいしい」
目をやると、姉妹と思われる女の子たちが、はしゃぎながら楽しそうに青い実を口へと運んでいた。
「ブルーベリーを食べると目がよくなるから、しっかり食べて、物事を見通す目を養うんだよ」
近くにいた父親らしき男性が笑いながら、二人に優しく声をかけた。
僕はそんな光景をとても好ましく、幸せな気持ちで眺めていた。
おっといけない、収穫の手伝いをしなくちゃ。
我に返った僕は再び手を動かし始めた。
フマールはというと・・・
「うめぇー」
カゴへ入れるよりも口へ運ぶ方が断然多い。
・・・