周りにはそう言ってきた。哲学的な表現で頭の良い人と思われたかったのだ。
しかし、本心は・・・
楽じゃないとオレがやる気がせんし、簡単じゃないとオレが続かん、だった。
7月から12月まで。
良き年の終わりに、西瓜のことを話そう。
甘くて美味しい食べ物は、一般的に育てるのがむずかしい。
これまで何度かスイカやメロンにチャレンジしたが、苗からですらダメだった。
でも、そろそろできるのではないかと思った。
4月22日、土を少しだけ剥いで、西瓜と真桑瓜の種を蒔いた。
成長は芳しくなく、同時期のカボチャに比べると、昭和の日本人とアルゼンチン人くらい発育に差があった。
8月、期待せず見回りをしていると、ソフトボールくらいの西瓜が見えた。僕は思わず、おおぉ!と声を上げた。
さらに回ると、ハンドボール大の西瓜が草陰に埋もれていた。二度目の咆哮が空に響いた。
切ってみると・・・ウマし!!普通にウマし!!
もっと大きくしてやろうと欲が出た。
いい感じなのを残して8月下旬まで待った。
再び行くと・・・割れていた。雨に打たれると割れるのかぁ。
このことだけではないが、僕は自然農があることを確信した。
そして自分があとちょっとの所まで来ていることを知った。
じつを言うと、次の年も同じように種を蒔いて、同じような中途半端な結果になった。
自然のポリリズムはいつ一致するのやら。
「惜しい!広島県」
「泣ける広島県」
「チョコレート・ディスコ」
これがフマールの最後の日記になります。
キコリザワがとうとう本当の木樵りになったので、そちらにバトンタッチ。
これからは里山生活に入ったキコリザワが、面白い話を聞かせてくれるでしょう。
こちらは来年も畑に立ち、日記もどこかに落とすかな。
これまで読んでくださった皆様に、さよならの代わりに、感謝を込めて。
どうぞ良い年をお迎えくださいませ。
M.K.フマール