10月。
植樹祭でヤマノモノの襲撃を受けて以来、すこしずつ柵を作り直していた。
せっかくなので拡張しつつ・・・
その間も幾度となく結界は破られたが、楽しいことに失うものがなかった。
杭(くい)を挿すための穴を掘っていて、新しい発見があった。
粘土が出てきたのだ。
いろんな所から出てきて、案外どこにでもあることがわかった。
これでわざわざ陶芸用のパウダー粘土を買わなくて済む。
さて、フロンティアにはキコリザワ。
あらかた開拓して最後の道を通そうとしたとき、「帰りましょう・・・」と気弱な声がした。
見上げた喬木(きょうぼく)の枝には、「茶色のクス玉」がぶら下がっていた。
その唐草紋様は、たしかに少しばかり不吉な印象がした。
「アレワー!大丈夫ヨ。何モシナケレバ刺サナイヨ」
「いやいや、無理でしょ。帰ります。そもそも、あなたが信用できない」
いつもは“益荒男(ますらお)ぶり”のキコリザワも、スズメバチには白旗だ。
不思議なことに、ふたたび来ると、スズメバチの巣は落ちていた。
今日も谷には澤風(さわかぜ)が吹く。
・・・
posted by from_grassroots at 23:59|
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日記
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