2013年03月12日

フマール農園 70. 『はじめての自然農で野菜づくり』監修 川口由一

C20130312本.JPG
これだ!
僕がやりたかったこと、書きたかったものが、すべてここにある。
これまで読んだ農業の本の中で、断トツで一番いい。
なんというか、すごくいい。
写真がいっぱいじゃし、余計なことがないし、きれいじゃし。
5年間失敗し続けてきたからこそ胸にしみるヒントの数々。
それをさらりと書いてある。
この一冊でいいんじゃないかな。
今日からこれを見て、がんばります。
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2013年02月28日

フマール農園 69. 冬の間に下拵(したごしら)え

2月。
晩冬にしては暖かい(と言っても十分に寒い)一日だった。
種を蒔くにはまだ早い。
だから冬の間に4種の畝の下ごしらえをしよう。
有機、化学、野草の3種の肥料はすでに投入済みだが、薄めて使う万田酵素は毎回撒いて効果を見る。

昼から降水確率が上がっていたので、朝のうちに出発すると、いきなり雨が降りだした。
僕たちはコンビニに寄ってしばらく思案したのち、やっぱり行くことにした。

畑に着くと、雨が止んだ。
万田酵素を10L撒いた。
終えると、ふたたび雨が降りだした。

それから果樹園へ移動した。
実を付けるようになるまで、まだ数年かかりそうだ。
美しい果樹園にレイアウトしておこう。
そんなことを考えていると雨が止んだ。
構想を練りながらぐるっと見て回り、車に戻ると、ふたたび雨が降ってきた。
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2013年01月31日

フマール農園 68. 2Q11

1月。
斑雪(まだらゆき)の残る小さな畑。

一年を振り返る。
といっても、年がら年中畝を作っていただけなのです。
春に1m幅×8だったのが、冬には2m幅×4に。

さあ、今年はこの4つの畝で実験をはじめよう。

@有機肥料(近所の酪農家から買った牛糞と鶏糞)
A化学肥料(普通に市販されているもの)
B万田酵素(1リットル1本5,775円。1000倍に薄めます)
C野草堆肥(刈草を1年間ブルーシートの上に置いたもの)

以上の4パターンで簡単な野菜を作ってみる。
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2012年12月31日

フマール農園 67. 年の暮れ

12月。
畝も出来上がり、とりあえずやることのない年の暮れ。
去年の日記を見ても、クリスマスがどうの、酒を飲んでどうのと、まったく参考になる記録がない。写真もない。

嗚呼、はや五年・・・
かっこ良く決めるはずだった、年の暮れ。
もはや恥も外聞もなく、年の暮れ。
ぼちぼちやる他なかんべぇ。

どうぞ皆さま良いお年を。
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2012年11月30日

フマール農園 66. ハルとアザラシ

11月。
秋なのにハルが来た。

朝なかなか起きることができず、昼前まで布団の中でもじもじしていた。
あうんの呼吸で、マルックも約束の時間をゆったりと超えて、家に迎えに来てくれた。
ハルを乗せて。
P20120705ハル.JPG
「カンナにもらったんだ」とマルックは答えた。
カンナは、お酒様の友達で、足の長い色白の女の人。
いたずら好きのお酒様は、西郷どんに西洋のミニチュアダックスをあずけた。

C20111115.2mの畝.JPG
とうとう畝は完成した。
畝も通路も2メートル。(なんと贅沢な使い方だろう)
ほったらかし畑を囲うように4本作った。
それぞれ違う肥料を入れて実験してみるつもり。

C20111115アザラシ.JPG
畑の隅には2頭のアザラシが打ち上げられていた。
ブルーシートの上で1年間寝かせた刈草は、黒土になり、それをロール。
もちろんこれも実験用。

C20111115柿の生り年.JPG
今年は柿の生り年だった。
給料前のマルックは、妹たちに持っていくために、柿の実を必死になって摘んでいる。
予防接種がまだのハルは、車の中でキャンキャン鳴いている。
役者はそろった。
俺たちのヒロイン、犬か・・・
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2012年10月31日

フマール農園 65. 世渡りできますよ

10月。
今日もせっせと畝作りに励んだ。
「これが最後だ。二度と作り直さんぞ」と心に決めると、旅立ちの準備をしている気分になった。

ホームセンターで売り出されていた苺の苗を、ほったらかし畑の輪郭に植えた。
苺というのは意外にもたいへん丈夫で育てやすい。
雪にも夏の暑さにも負けず、「でくの坊」と呼ばれても平気で、数年に渡って赤い歓喜の実をつける。
連作障害があるみたいだが、多年草なのにどういうことか?

野良仕事のあと、恩師からもらった辛口(トロッケン)の白ワインで乾杯。
TV番組に「クニ子おばば」という日本でただ一人焼畑をやっているお婆さんが映っていた。
森を焼いて、1年目にソバ、2年目に豆、3年目に忘れた・・・と4年間だけ作物をつくり、あとの26年間は放っておく。そして、森がピークを超えて老化しはじめる30年目に、ふたたび山を焼く。
切り株からキノコが生えてくると、バクテリアによる分解が終わって森の再生が始まったサインだという。

クニ子おばばが舌をペロペロ出しながら草を刈るのを見て、マルックは獣みたいだと大笑いした。
おばばは「この森と種と塩さえあれば世渡りできますよ」と言った。
おばばの世渡りとは人間社会のことではなく、生態系のことだった。

おばばが大木の下に静かに座っている映像が流れた。
亡きご主人と共に憩う姿が偲ばれて、悠(はる)かな思いになった。
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2012年09月30日

マルックの喫茶店 6. マルックと秘密の部屋「ビックママ登場」

(ブルーベリー園の話のつづき)

「そろそろお昼よー!」
遠くでおばちゃんの声がした。

もうそんな時間か・・・でもまだぜんぜん籠は青い実で埋まらないよ。
沈んだ気持ちで籠を見ていた僕の背後から、知らない大声が響いた。

「なぁに気にしない、まずはご飯よ、フフッ」

パワーを持ったその声に圧倒され、思わず声の主を見た。

こ、この人は・・・大トトロ、いや、ビックママだ・・・
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2012年08月31日

フマール農園 64. 黎明を抱きしめた

朝5時に目が覚めたので、畑に行くことにした。
道路も空いていて、本当に「早起きは3文の得」なんだな。
薄明り中を向かっていると、やけに空が曇っていることに気づいた。
さらに進むと、それは雲ではなく、霧だった。

途中の盆地にときどき雲海が出ることは、子供の頃から知っていた。
峠から見下ろす雲海に包まれた平野は神秘的だった。
僕はシャッターを切りながら車を走らせた。
トリシアに久々に綺麗な写真が送れると思ったからだ。
平野よりも少し上った場所の方がより霧が濃く、それをさらに上ると霧を抜けた。
残念ながらスポットが見つからず、よい写真は撮れなかった。

僕の畑はもう一段上の盆地にあった。
ひょっとすると・・・と思い、先を急いだ。

ここも霧に包まれていた。
神社の辺りは、ひんやりとした朝靄(あさもや)と光のヴェールに覆われていた。
田んぼの稲穂がビロードに波打っていた。
G20110829黎明.jpg

朝露に濡れた草を刈るのはまったく馬鹿なことだったが、それでもとてもよい朝だった。
犬を散歩しているノリおじさんの奥さんに出会った。
母親を亡くしたばかりの彼女に、僕は挨拶をしたが、お悔やみの言葉を出すことができなかった。
少しトリシアに似ていることを感じて、ニュートラルな思考が頭をめぐった。
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2012年07月31日

フマール農園 63. わしゃ、畝作りか!

今月はマルックと一緒にブルーベリー狩りへ出かけた。
詳しくは『マルックの喫茶店』にて。(なかなか続きを書きやがらんけど)

それはそうと、例によってこの夏も草ボウボウになった。
ならば、畝と通路の幅を1メートルに広げて作り直した成果はどうだったのか?

答えは、不十分。

初夏になって雑草が両側からわっと生えてくると、狭まって通れなくなった。
小まめに刈ればよいのだが、それでは「月イチ2時間」のコンセプトに外れてしまう。

追い詰められた僕たちは「畝幅2メートル」を決行することにした。
このアイデアは、去年マルックが冗談半分に言っていた。
「城を囲うお堀のように・・・もっと広く!」
おちょくっているとしか思えず、腹が立ったが、今それを採用しようとしている。

オレは馬鹿なのだろうか?それとも、阿呆なのだろうか?
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2012年06月30日

フマール農園 62. 静観するのみ

C20110523干草1.JPG
6月。
梅雨のこの頃は、雨のタイミングによって、なかなか畑に行けないことが多い。
月の初めに草を少し刈ったものの、それ以降はまったく行かなかった。
ちょっと別に挑戦していることがあり、期限付きのそちらを優先させたからでもある。
なにより畝を作った直後ということが、モチベーションを下げていた。
いや、モチベーションが下がっている訳ではないな。
手の付けられない状態になるだろう1年目に、浪費をしたくなかった。

畑の隅には、肥料にするために積んでおいた草が茶色くなっている。
冬に刈った草をビニールシートの上に乗せただけ。
初めは山盛りだったのが、だんだん萎(しぼ)んでこんなになった。
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posted by from_grassroots at 23:35| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする