「もうぼちぼち話さねばなるまいよ」
「あぁそうだ。もう限界だ」
頭の中で、小人たちが会議をしている。
「4月のとき、こんな小さな芽が出たのを言ったきり、うんともすんともじゃないか」
「まさしくそのことだよ。ボクが言おうとしているのは」
「よし、じゃあ、ここの小枝に座って聞こうじゃないか」
4月だよ。フローレンスも一緒だったよ。
5月だよ。のどが渇くから、竹に湧き水を入れたよ。
6月だよ。アシナガバチが飛んで来たけど、平気だったよ。
7月だよ。急に頭が痛くなってきたよ。
8月だよ。ジャコウネズミさんと穴の中で横になっていたよ。
9月だよ。みんなで輪になって歌ったよ。
「どうかい?どう思うかい?」
「これと同じの景色、ホップの門の映画館で見たよ」
「もちろん僕だって考えたさ。
太陽の具合が悪いのか?ツゲの根っこがいたずらしたか?
虫たちが全部食べたのか?
でも、夜ごはんになったから、もう止めたよ」
「あぁボクも眠たくなってきたよ」
「じゃあ、おやすみね、コミクル」
「おやすみね、また明日ね」
・・・